「ねこばやし」が、国土交通省に住宅宿泊事業法の「民泊」の届出(※そこに至るまで4か月近くかかってますが)をしたのが2022年12月8日。この日が当宿の開業日となります。それから半年。
順調に行っているかどうか・・・といわれると、「ボチボチ」という感じです。
まず、「空き家」を借りた宿ということで色々手間をかけてきたたわけですが・・・一番の懸案であった庭の雑草は、昨年秋に地元の方が地域活動の後で草刈りをしていただき、一冬明けた後も所々畑にしたり、それ以外の場所も少しずつ草刈りをすることで、それほど見苦しくはなっていません。草刈りは一本も残さないというほど神経質には刈ってませんし。
ミニトマト、イチゴ、ブルーベリー、スナップエンドウ、キュウリ、茄子、まくわうり、すいか、イチジク、さつまいも、アスパラガス・・・色々植えてます。
設備面でも、2階のエアコンの調子が悪い→通販で新しいリモコン買ったら解決、水漏れ箇所があった→知り合いが治してくれた、凍結でウォッシュレット壊れた→便座部分取り換え、と少しずつ解決しています。テレビが民法しか映らないとか、Wi-Fi環境が無いとかまだ課題はありますが・・
また、地元の自治会に加入し、地域活動にも参加させていただいております。「地域と旅人の架け橋」という目標も少しずつ実現していると思います。
一方で集客についてはなかなか簡単ではないことを実感しています。「民泊」の宿は年間の営業日数の上限が180日なのですが、この半年の営業日数は16日、残りの営業日数を気にするには全然遠いです。
そして延べ宿泊者数は44人・・・宿の定員が10人なのに、1月あたりの宿泊者数はそれに及びません。最初からうまくいくものではないというのは十分理解してはいるのですが、それでもお客さんが来ないという現実に直面すると不安に感じるものです。特に、個人的には一番良い時期だと思う4月は宿泊者がゼロだったのには参りました。何人か来ていただいていれば来年も必ず来られると思うのですが。もっと積極的に色々仕掛けていくべきでした。
まず貸切のお客様。当宿は6名様以上のご利用で(かつ、他に予約が入っていなければ)貸切が可能です。この半年間、貸切のお客様は3組27人でした。「民泊」の宿の大部分はこの「貸切」形式だと思います。10人泊まっても1人分の手間の10倍かかるわけではないし、Airbnb(通称エアビー)のような予約サイトに登録すれば集客もスムーズにいくでしょうし、収益を考えるのなら貸切専業にしたほうがいいと思います。
2つ目は「一人旅」のお客様。そもそも当宿が目指す形態は「とほ宿」のような宿なのです。
一人旅大歓迎で、泊まった人同士が一緒に飲み会して交流するような宿です。「とほ宿」の中には、地元の人も宴会に参入するようなところも珍しくありません。そもそも、普通の個室の宿だと、一人旅の宿というのは泊まりにくい部分があると思います。この人たちが8人。
そして、(比率的には)思ったより多かったのが日本百名山・荒島岳に登る人で9人。うち4人は越美北線利用でした。皆さん「朝早い時間に使える公共交通機関が無くて、荒島岳登山口近くの宿をネットで探したらこの宿を見つけた」とおっしゃてました。逆に言うと、宿の存在を知らなくて荒島岳登山をあきらめた人も少なくないと思います。
ということで、宿泊者数を見るとまだまだまだ少ないのですが・・・このホームページを見ている人は着実に増えてますし、「大野 民宿」で検索した場合の順位が少しずつ上がってきています。知名度さえ上がればもっとお客様はお越しになられると考えています。
そして、「貸切」「ひとり旅」「荒島岳登山」、どれかに絞らずに運営していきたいと思います。
「貸切」のお客様でも荒島岳以外に登りに行かれたお客様もおられますし、自分としては「福井の地酒持ち寄り会」とか「世界のワイン持ち寄り会」とか「芋煮会」みたいなイベントを貸切で開催されるお客様がもっと増えてほしいと考えています。
また、「新入社員フォロー懇親会」とか「経営者・自営業者交流会」とか、同窓会のようなものも開催していただきたいと思います。星空を見上げながら肉を焼いて食べると、お互いうち解けられます。
プライバシーを重視する世の中になっている一方で、職場や地域の交流というのは希薄になっているのではないかと思います。こういう場も必要なのではないでしょうか?
一人旅歓迎は・・・言うまでもありません。私もいずれは「とほ宿」に加入したいと思っていました。民泊という形態のうちは難しいだろうと思っていたのですが、北海道のとほ宿「旅の轍」の鈴木さんから、「民泊でも入れるよ」と言われて準会員登録しています。
そして、自分も「山ヤ」の端くれなので、荒島岳に登る人が増えているというのは非常に嬉しいです。白山や北アルプスのように、山の上にある山小屋はありませんが・・・それに準ずる存在になりたいと思います。そして、荒島岳に登るだけでなく、宿で福井の美味しい食べ物とお酒を飲んで楽しい時間を過ごして、泊まって、次の日は福井の名所に寄って帰ってほしい。
そして今月下旬からは鮎が次々解禁となります。こちらのお客様にも是非きていただきたいです。秋には蕎麦打ちイベントもしたいし、冬にはスキー宿に・・・
現実はともかく、夢はどんどん広がっているというのを、この半年で感じています。