このたび、日本経済新聞が発行する「日経MJ」に、当宿の記事を掲載していただきました!
記事を執筆されたのはコンサルタントの竹内謙礼さんです。YouTubeで「竹内 謙礼のビジネスゼミ-明日からすぐに使える!」を配信しておられます。時代の流れを掴める内容です。
当宿は運営方針として「おもてなしをしない」「説明をしない」「他の宿との比較をしない」を掲げていて、今回は「おもてなしをしない」という点について書いていただきました。
宿の開業から9カ月、そろそろ再考をしても良い時期ですが、、、結論から言いますと、いずれの方針にも変更はありません。今回記事として書いていただいた「おもてなしをしない」についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
当宿は1泊素泊まり3,850円です。カジュアルにお泊りを楽しんでいただきたいと考えています。
空き家をほぼリフォーム無しで活用し、宿主の小林一人で運営を回していますので、初期費用も月々の固定費もそれほどかかっていません。
もし、開業時にフルリフォームしたり、いろいろなサービスを付加したら、どうしてもそのコストが宿の料金に跳ね返ります。
料金を安く維持しようとしたら稼働率を高めないといけません。予約サイトなどに登録すれば今よりも集客を見込めるかもしれませんが、たくさんある宿の中の一つとして扱われ、単に大野にあって安いという理由だけで選ばれると、この宿の特性に合わないお客様も来るでしょう。せめて宿のホームページは見てほしいと思うのですが、予約サイトに掲載している情報だけで判断してしまうと思います。
そうなると自分自身楽しくないし、「ねこばやし」に行きたくて来ていただけるお客様も楽しめません。
だからお客様から電話で予約を頂いた時には「普通の民家です」「親戚の家に行くようなものです」と説明して納得いただいた上でご利用いただいております。今のところ、大きく期待を外れたという声はいただいておりますし、Googleマップ上では4.8という高評価をいただいております。(9/26時点)
自分の主観ですが・・・「おもてなし」という言葉には「お客さんが楽しんでいただくよう尽くす」というニュアンスがあると思います。
ビジネスである以上、「尽くす」のは当然ですが、私はお客さんのためなら自分の楽しみは犠牲にすべきとは考えていません。自分も楽しむためにこの宿を立ち上げたのです。だから「お客さんが楽しんで、宿主も楽しむ」宿です。お客さんのために楽しむのをガマンする、仕事だから楽しむのは二の次とは考えていません。
私の知り合いの宿も、SNSで日々の状況をアップしていますが、どう見ても宿主さんが一番楽しんでいます。でも熱烈なファンのお客さんがたくさんいます。
実際、毎回違うお客さんがやってきて、一緒に飲みながら世間話をしたり、お客さん同士で会話しているのを聞いて、自分から出かけずとも未知の世界を知ることが出来て、日々飽きることがありません。
自分もそう思いますし、多くのお客さんは宿の立地をほめていただいております。この場所に普通にいるだけで楽しいと思いますし、お客さんで飲み食いを共にすれば自然と盛り上がるものだと思っています。
自分自身、一人旅をして楽しい経験をしたので、宿を立ち上げたというのもあります。
そして、自分が楽しいと思うことを人に押し付けるべきではないと思っているのです。
ワイワイ騒ぐも良し、しみじみするも良し、ひたすら寝るも良し。
結果的に満足して、旅の思い出作りをしていただきたいと思っています。
また、当宿への感想としては
・荒島岳登山口に近い
・冷蔵庫や洗濯機や物干しが使えるので、釣りに便利
・(貸切なら)燐家まで50m離れているので、屋内で多少騒いでも大丈夫
・庭からの眺めが素晴らしい
・真っ暗で満天の星空に感動した
・田んぼで蛙が大合唱していて、都会では味わえない贅沢な時間を過ごした
ということで千差万別です。(因みに現時点でお客様の半分以上は荒島岳登山の方です。JR越前大野駅まで送迎しておりますが、これは宿として当然の事だと思っています。)
「おもてなし」をするということは、一方でいろいろな決まり事をお客様にお願いすることでもあると思います。食事の時間とか、消灯時間とか、門限とか。当宿は他のお客様の迷惑にならない限りは、特に決まりは設けていないです。荒島岳登山のお客様で朝の3時に出発された方もおられますが、「特に声をかけなくてもいいです、そのまま出て行ってください」と言っています。「おもてなしをするからには見送りは必要」という考え方は、必ずしもお客様全員にあてはまるとは限りません。
個人的には、「とほ宿」のように「一人旅歓迎」の宿でありたいと思うのですが、、多くのお客様は予約サイトなどではなくGoogleマップや検索を使って必死に探して当宿に泊まっていただいているのです。もうそれだけで嬉しいです。
一人ひとりの「楽しさ」を尊重したいと思っています。